旅行の記事を書いたり、療育のことを書いたり、息子の成長を書いたり。
書きたいことはたくさんあるのに、日々の生活に追われていると、なかなか文章にするところまでいかない。
そんな中で、最近ふと思ったことがある。
「自閉症の子育てって、大変なことばかりではないのかもしれない」
もちろん、大変なこともたくさんあるので、決して「意外に楽やん」って話ではありません。
息子は今年の夏9歳になりました。
言葉で自分の気持ちを伝えることはまだ難しい。
待つことが苦手だったり、突然走り出したり、水や電車に強く惹かれたり。
外出するときは、普通の9歳の子どもと同じ感覚ではいられない。
「ちょっと待って」が通じないこともある。
だから、出かける前にはいろいろ考える。
混雑していないか。
長時間待たなくていいか。
トイレは大丈夫か。
途中で帰りたくならないか。
水を見つけたら入っていかないか。
……母は、なかなか忙しい(笑)。
でも、最近になって少し違うことにも気づいた。
「普通ならこう楽しむ」が、息子にはあまり関係ない
以前、水族館に行った。
息子が「魚を見たい」と言ったからだ。
私は、「おお!ついに魚に興味が出てきたのか!」
と思った。
今まで水族館に行っても、魚そのものにはあまり興味を示さなかったから。
ところが、実際に行ってみると……
魚、見ない。
全然見ない。

「魚見たいって言ってたやん!」
と思わず心の中でツッコむ。
じゃあ何を見ていたかというと、
イルカがジャンプしたときの水しぶき。

そこ。
そこだけ。
「魚を見たい」の意味が、私が想像していたものとは全然違った。
でも、考えてみれば、それでいいのだと思う。
私たちはつい、
「水族館に行ったら魚を見る」
「遊園地に行ったら乗り物に乗る」
「旅行に行ったら観光地を見る」
という、“一般的な楽しみ方”を想像する。
でも息子には、そんなルールはない。
電車そのものより踏切だったり。
海そのものより水だったり。
水族館の魚より、イルカが作った水しぶきだったり。
本人にとっては、それが十分に面白い。
そして、それは意外と自由なことなのかもしれない
息子と出かけていると、
「せっかくここまで来たんだから、これを見せたい」
「せっかく旅行に来たんだから、ここにも行きたい」と、私のほうが欲張ってしまうことがある。
でも息子は、そんなことを気にしていない。
興味のあるものを見つけたら、それを見る。

楽しかったら笑う。
嫌だったら離れる。
疲れたら「帰りたい」。
とてもシンプル。
もちろん、それだけでは済まない場面もある。
でも、息子を育てていると、
「みんなと同じように楽しめなくてもいい」
ということを、何度も教えられる。
これは、私自身にとっても大きな変化だった。
「できないこと」ばかり見ていた時期もあった
息子が小さい頃は、できないことが目についた。最近自閉症育児も9年経って、ようやくこの想定外にも慣れてきた
話せない。
読めない。
集団に入れない。
一人でできないことが多い。
将来どうなるんだろう。
この先、私はどうやって支えていけばいいんだろう。
考え始めると、いくらでも不安になれた。
今だって、将来のことを考えれば不安になる。
でも9歳になった今は、
「できないこと」だけではなく、
「この子は、この子なりにちゃんと人生を楽しんでいるんだな」
と思える瞬間が増えてきた。電車を見て嬉しそうにしている。
好きな乗り物に乗って笑っている。水を見つけると嬉しそうにする。
旅行先でいつもと違う景色を楽しむ。

そして、ときどき私の想像を軽々と超えてくる。
「そこが楽しいん!?」
というところで大喜びする。
母には謎すぎることも多いけれど(笑)。
自閉症=すべてが大変、ではない
もちろん、息子との生活には大変なことがある。
それは否定しない。
でも、
「障害があるから、人生は大変なことばかり」
と考えるのも、少し違うのかもしれない。
息子には息子の楽しみ方がある。
息子には息子の世界がある。
そして私は、その世界を少しずつ教えてもらっている。
普通なら気にも留めないようなものを、息子はじっと見ている。
私なら通り過ぎるものに、息子は立ち止まる。
そのたびに、「なるほど。そこなんや」と思う。
9年間一緒に暮らしてきても、まだまだ分からないことだらけだ。
たぶん、これからもそうなんだと思う。
でも、それも悪くない。
「この子は何を面白いと思うんだろう?」
そう思いながら一緒に出かけるのは、ちょっとした宝探しみたいでもある。
今日もまた、
「そこ!?」
というところで笑っている息子を見ながら、
私はたぶん、また一つ新しいことを教えてもらう。
そんな9歳との毎日です。
もっと子どもが小さい頃は、私も自閉症育児に自身が持てず、悲観的で心が沈みがちでした。
最近は私の心にも少し余裕のようなものが出てきたのか、これからも大変なこともあるとは思う、でも
こんな日々も息子が成長する過程として大事にしたいなと思う。
最後まで読んで頂きありがとうございます。

