自閉症児の特性の一つで、「体を動かすのが苦手」という不便さをお持ちのお子さんは多いんじゃないかと思います。
うちの子もそうで、保育所でも同い年の子が(5歳児)あやとり、折り紙、塗り絵や工作を上手にこなしているのに対し、未だお箸をもつことや、簡単な図形を描くことも困難です…興味すらない。
いつか文字を書ける日は来るんだろうか?と思うくらい遠い道のりに感じます。他の子と比べると気分が暗くなってしまうので、とにかく「今」できることからやって行こう!のスタンスで、私は心のバランスの方を保つように心がけています。(心がけたいです^^;)
私も過去に保育士の勉強をしていた時、成長は「中心から末端へ」というのを学びました。しっかり固有感覚や体幹を鍛えてこそ、末端へ神経が通じる!まずは体を動かそう!ということで、日常では運動をさせることを意識しています。
子どもを産む前の私は基本的にインドアで、趣味でアクセサリーを作ったり、読書をしたり、家でできることばかりが好きでしたが、息子のおかげで、運動の大切さをしり、自身もジム通いを初めて3年継続しています。
トランポリン
平衡感覚
平衡感覚を使うことは、眼球運動にも繋がり、さらに眼球は脳とも繋がっています。
ジャンプが好きな自閉症のお子さんは多いようです。うちも狭い家ながらトランポリンを購入しました。全身を使って同じ場所に着地することで、バランス感覚や、位置関係を把握する空間認知能力、集中力、そして体力向上に効きます!ふわふわドームのある公園などを探して行くこともあります。
ぴょんぴょん跳んでいると、リズム感もついてきたりして、トランポリンは良い効果が満載です。時々手を持ってあげて高くジャンプさせたり、跳びながらハイタッチをすると、目の動きが育ちます。時々手の高さを変えたりして楽しく取り組めます。
家で1人でジャンプするよりも、室内の遊び場や、ふわふわドームで他の子の中に入ってする方が好きなようで、時々周りのジャンプの反動に身を委ねて、揺られて楽しんでいる時もあります。なかなかコミュ力に乏しいので、運動を通じて、他の子の輪の中へ自ら入るところを見ると嬉しくもあります。
こんなのを使っています。大人のダイエットにも! |
のぼる
両手両足を使ってのぼる
上へ登って行くためには、手でしっかりとしがみつき、足で踏ん張ったりする力の維持が必要です。これもまた体力の向上と体幹を鍛える良いエクササイズになります。
保育所でも遊具があるのですが、これも息子は大好きで、だんだんのぼるのが得意になってくると、上に着くとわざと手を離そうとして、先生をヒヤッとさせるそうですが、本人に自信がついて余裕が出てきた現れだと思います。公園でも肋木やネット、ボルタリングなどがあれば、促しながらさせてます。最初は固有感覚やバランス感の乏しさでイメージができずにいろいろ怖がり、慎重でした。
とにかく怖がるので、経験と練習が必要だと思い、少し遠くても色々な遊具に触れさせました。5歳になり、遊具を見ると自分から走って行くほど好きになりました。時々1段とばしで登ってみたり、片方の手足を離してぶら下がったりするのも良いそうです。
ボルタリングは、全身運動だけでなく、次から次に握る場所、足を置く場所を考えながら進まないとだめなので、判断力も養えます。うちの子は、最初やった時はどう進めばいいかわからず迷っていたので、「ここを握ってごらん、足はここに置いて!」など一緒に指示してあげながら登りました。
なかなか近くの公園にボルタリングができる場所はないのですが、見つけた時には是非やらせてあげたいと思います。
水泳
水泳は色んな効果満載!神経系の発達にもつながる
水泳教室にも通っていたのですが、これに関しては少し悲しいエピソードがあります。
うちの子は年少の7月から年中の11月まで、スイミングスクールに通っていました。本人が水が大好きで、泳ぐの以外でも川の流れやコップからコップへ水を移す、水槽、雨、とにかく水が大好きで、好きなことを伸ばすには?ですぐに思いついたのはスイミングでした。
自閉症だということも体験レッスン時にお伝えし、先生もだいぶ色々息子のことは考慮して下さったと思います。保護者はガラス越しに見学できるのですが、目を塞ぎたくなるほど、点呼に耳を向けられない、順番を守れない、準備体操中に待ちきれずにドボンとプールに入る…というのがずっとでした。
それも幼児クラスだったので、まだ先生が大目にみてくれていたと思います。ある日、「だいぶ順番が守れてきたので、進級しましょう」と言われ、私は大喜びしました。「進級」というのが嬉しく、期待もしていたのですが、進級してから子どもがパニックを起こし、毎回泣き、連れていくことも困難になりました。
理由は顔を水につけらたことから始まったようで、25級になると顔をつけることが一つのクリア条件になるのですが、ここでつまづいてしまい、最初の頃の楽しんでいた息子とは一転、大泣きするようになってしまい私も心折れそうになりました。コーチも変わり、変化も多く、子どもには負担が大きかったのです。
私は水泳教室が唯一、定型児と同じ習い事を出来ていることで、少しの希望になったいた部分もあったのですが、涙をのんで退会しました。この日は悲しくて悲しくて仕方なかったです。
しかし、それでも水泳はさせてあげたくて、市のやっている障害者水泳教室を見つけました。3ヶ月間間隔で抽選を行う水泳教室でした。私の住んでいる市ではなく、お隣だったので優先的には選ばれないとのことでしたが、定員割れしていたのか、通えることになりました。
またこれも新しい挑戦だったので、初回レッスンでは15分ほど落ち着かず、ウロウロしていましたが、その後は楽しんで、水に入るようになりました。滑り台をしたり、水に浮かんでみたり、雰囲気もすごく和やかで私も安心しました。
普通のスイミング教室では、レッスンの邪魔にならないかと、今思えば毎回ヒヤヒヤしながら見守っていたのですが、こちらでは他の障害を持つお子様もいて、年齢も症状もバラバラ、それを理解してくれた上で、出来たことをすごく褒めてくれる先生。私も安心できました。
やはり、その子にあった環境やペースで学ぶのが、結果的には身につくんだと、改めて確信しました。定型児と同じようにできなくて悲しんでいたのですが、やはり比べてしまうと負の面しか見えて来ず、希望も見えない。
それよりも子どもが楽しめて成長していく場を優先してあげることが大事なんだと感じました。子どもが産まれてまだ5歳、私も自閉症の子をもつ親として、これからたくさん学びがあるんだろうと思います。
水泳の良さは、やはり陸上運動よりも消費カロリーが多いこと、風邪を引きにくい体を作る、心肺機能の発達など、色々な良さがありますね。
あと大事なのは溺れないようにする!ということかな…。うちの子はとにかく水が好きなので、万が一河原で足を滑らせてドボンと入ってしまったら…。とか考えてしまいます。
身を守るためにも、必要な運動だと思います。障害児水泳教室に変えてから、毎週楽しみにして行っています。子どもが楽しんでいる顔を見るのはいいものです。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
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