自閉スペクトラム症を持つ子の将来は暗いのか?

息子のこと

「息子が自閉症じゃなければ」

「せめて、知的障害を伴わない自閉症ならよかった」

「普通の6歳児である息子を見てみたい」

という、どうしようもない感情が湧き出てくることがあります。なぜ息子が‥と思ってしまうのですが、これだけは言っても仕方ないことなんですよね‥。

子どもは無邪気に笑い、友達がいないことも気にしておらず、毎日生きています。

悲観するよりも、母としてできることを子どもが小さいうちに教えて行くことが大事なんだなと、私が教えられる思いです。

自閉症児の未来が暗いとは限らない

色々知ってみると、多くの人が中度の自閉スペクトラム症を持ちながら、充実した人生を送っています。

適切なサポート、教育、療法を受けることで、個人の強みや能力を最大限に活かすことが可能です。

障害=生きにくい=希望がない。と判断しがちですが、そうではないようです。健常者の私からすると、話せない、自立できない、人と交わらない息子をみているとそのように感じてしまうのですが、これは子どもである今の姿だけしか見ていないためかもしれません。

たとえ知的障害があっても

私は自分の考えですが、自閉スペクトラム症の人でも、知的障害を伴う場合と伴わない場合は行く道が違うと思っています。

知的障害がない場合は、こだわりという特性がよい方に動くと、世の中に大きな功績を残している方もいらっしゃいますし、giftedの可能性もあります。

しかし、知的障害がある場合でも、自閉スペクトラム症を持つ人々が充実した未来を築くことは可能です。

というより、人の人生ってわからない。健常者でも人生色々ありますからね。

適切なサポートや教育プログラムを受けることで、彼らの能力や興味に合った道を見つけ、成長することができます。

手帳が出てからすぐに療育に参加するようになりました。こちらは好きな遊びを元に、他者とのコミュニケーションをはかる教育の一つです。

社会の中にいて、人とのコミュニケーションは重要事項です。息子の場合は保育所と療育で学んだと思います。

自閉症の子はいじめられる確率が3倍以上と聞いたことがあります。この原因の大きな部分がコミュニケーションにあります。意思が上手く伝えられない。こだわりが強いなど。

指導員と一緒に遊びながら言葉を発し、アイコンタクトをし、譲り合いを学ぶ。まずは幼児期の基盤としては、療育は大事な教育活動の一つです。

うちの息子は、6歳で対話は出来ませんが、療育に4歳から通い、アイコンタクトや応えの選択「する・しない」「楽しい•楽しくない」「美味しい・美味しくない」など、2択で尋ねると応えるようになり、少しでも意思表示ができるだけで、わかりやすくなりました。

本人に「人と交わりたい」という意思はないんうですが、コミュニケーションなしでは、今後の人生がさらに難しくなってしまいます。

6歳、保育所最後の学年になってようやく、先生たちの名前を言うようになりました。

色々な社会参加や、(大人ならば)職業訓練などを通じて、自己肯定感を高め、満足のいく生活を送ることも可能です。

個々のニーズや強みを理解し、適切な支援を提供することが重要です。

自閉スペクトラム症の社会参加

やはり、人は社会との繋がりが必要なんだなと感じています。

実は私は超人見知りで、相手に気を遣いすぎて疲れてしまったり、新しいコミュニティに入るのが億劫に感じてしまうのですが、自閉症の息子を育てる上で、人にアドバイスを求めたり、共感してもらえるというのは、とても大事な事なんだと、今はそう思います。

職業参加

これは、LITALICOに通っていた頃、個別相談で聞いた情報の一つです。

見た目は普通のカフェなんですが、中では障害を持つ方が働いていて、パンやケーキを焼いたりしながら、職場としてお仕事をされているようです。

雰囲気はとても和やかで、パンがうまく焼けた時には、「上手に焼けたね」と周りから褒めてもらえるような環境だそうです。

適性や興味に合った職業を見つけ、職場でのスキルを発展させることができますね。

一部の人は特定の分野で専門知識を活かして働く一方、他の人はサポート付きの職場で活躍することもあります。

この障害を持つ方々の中でも、軽度の人をリーダーにして、グループをまとめるような役割も与えたりしているそうです。立派な社会参加だと思います。

参考までにでに、お給料は約1万円ほどだそうです。それに障害年金6万円ほどの月々の収入があるそうです。

独立は出来ない収入ですが、実家暮らしではお小遣いになる収入ですね。

社会でストレスを受けながらピリピリして仕事をして収入を得るのが良いのか、和やかな雰囲気で働きながら慎ましく生活をするのも悪くないのでは?幸せの価値観は色々ですね。

教育参加

自閉スペクトラム症の人々は、学校や大学で学ぶ機会を持つことができます。適切な教育支援やアコモデーションを提供することで、学習をサポートすることができます。

私の息子は今6歳。教育の分野がとても気になるところです。

調べたところでは、モンテッソーリ教育は自閉スペクトラム症、ADHDなどの特性やこだわりをもつ子たちには相性が良い教育だそうです。

私自身、ずっと日本の公立学校の教育過程を歩んできましたが、モンテッソーリの魅力は自主性を尊重するという部分です。もしかすると、こだわりという特性がよい方向に動く可能性もあるかもしれません。

効果は個人によって違いがありますが、日本の右ならえの風潮が苦手な子にはベターかもしれません。

コミュニティ活動

スポーツ、アート、音楽、趣味などのコミュニティ活動に参加することで、興味を共有し、人間関係を築く機会を得ることができます。

息子も先日、医師による診察日でした。

「将来、友人が出来るのか」という不安を言うと、「好きなものをツールにして、人との関係を築く」という事を聞きました。

要するに、電車好きなら電車オタクの集まりに入って、知り合いを作るということか‥!

言葉のキャッチボールができない息子に、将来どれほどのコミュニケーションが出来るのかはわからないですが、子の「好きな事」を見つけてあげることが、大事だなという風に思いました。

そういえば、「さかなくん」も、魚好きを突き詰めて魚博士になったんだなぁ‥

ボランティア活動に参加

地域社会でのボランティア活動に参加することで、他の人々と協力し、貢献する喜びを味わうことができます。というと、硬く感じてしまいますが、幼児期や学童期は、家の中での簡単なお手伝いを頼むといいと思います。

障害をもつ子達でも、いつも助けられているばかりでなくら人の役に立ちたいという気持ちはあるものです。自己肯定感にも結びつくので、簡単な役割を与えて、できたら「ありがとう、助かったよ」と積極的に言ってあげましょう。

自己表現

芸術や創作活動を通じて、自己表現の場を見つけることができます。絵画、音楽、文学など、さまざまな形で自分を表現することができます。

絵画が得意な自閉症の少年の記事を見たことがあります。

親御さんが、「この子は絵を描くのが好きなんだ」と知ってから、その「好き」を伸ばしてあげたよい例ですね。

絵でも、作品を作る事でも、自分のうちにあるものを、外に出せるというのは素晴らしいことだと思います。

また別の記事では、トイレが大好きで、色々な場所のトイレを研究している青年もいました。

そんな孫の趣味を、祖父母はよく思わなかったそうですが、何が役に立つかはわからないものです。トイレは人の生活に密着しているもの。

その人の知識が役に立つこともあるかもしれませんし、少なくともその人が情熱を注げる物が存在するのですから。

私もまだ自閉症息子を育てて6年ほどですが、どなたかの参考になれば嬉しいです。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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