この記事では私の経験において、自閉症児の大の苦手であろう、歯科検診の対処法について綴っています。まとめるとこんな感じです↓
- 自閉症児に理解ある小児歯科を探す。
- 医院の先生や衛生士さん、場所に慣れる。繰り返し通院する。
- 歯科医院で怖いことや痛いことはしないという経験をしておく。
- ビジュアル(絵カード)で何をされるか理解しておく。
自閉症児が初めて歯科へ行った結果
感覚過敏の子には刺激が多すぎた
初めて行ったのは、3歳の頃でした。
虫歯になったら大変と思い、フッ素を塗ると良いとのことで、私が行っている近所の歯科へ行くことにしました。赤ちゃんの頃は、私が検査中、横で人形を触りながら待っててくれたので、場所も知っているし、ここなら行けるんじゃないか…。と思っていましたが、結果は悲惨でした。
隣から聞こえてくる甲高い機械音、台に並んでいる銀色の尖った器具、口元にピカっと当てられるライトなど、診療室内には感覚に触れるもので溢れていました。
椅子に座らせるなり泣き叫んでパニックを起こし、私も加わって歯科医と助手、私も加わって3人で押さえつけてフッ素を塗るという地獄絵図になりました。
終わった後は全員息切れ…。大人3人がかりでも消耗しました。押さえつけてしまったことも、恐怖を助長したんだと思います。それから医院を出ても、30分号泣していました。
普段好きなアニメをつけたり、いくらなだめてもダメでした。余程のショックだったんでしょう。
歯科医院からやんわり断られる
それから、冷や汗をかきながらも、また4ヶ月後にフッ素を塗ってもらいに行きましたが、2回目といえどまた大波乱。2回目でもマシということはありませんでした。
帰り際に歯科医師に言われたのが、「フッ素はできますが、治療となるとここでは無理です。」とのこと。
障害者(児)が虫歯になった場合、落ち着いて治療をするためには全身麻酔が必要になりますが、この歯科医院はそれに対応していないようでした。とはいえ、なんとなく断れれたような感覚でした。
この帰りも、とぼとぼ暗い気持ちで泣く子をあやしながら帰ったのを覚えています。
虫歯治療くらいで全身麻酔を使うのか…。と思うとなんか大掛かりで心配でした。
なる前に予防しなければならない。そのためには日々の歯磨きと、定期的なフッ素と検診は絶対に必要だと思いました。
小児歯科を探す
理解ある小児歯科医院を探す
私も自分がリサーチ不足だったのだと思います。
まずは子どもが多く通う子ども向けの歯科医院を探すべきだったと思いました。
歯科医院の中には、自閉症児に詳しい医院や、先生が障害者歯科での経験がある方などいらっしゃいます。市の障害福祉課に相談しても紹介してくれるかもしれません。
私は車を持っていないため、近所か、または交通機関で通院が大変じゃないところを探しました。
そして見つけたのが、家から少し遠かったのですが、院長も若く(私と同い年でした)同じく男の子のお子さんもいて、プレイスペースやおもちゃも充実していて、優しそうな雰囲気。
ホームページを拝見した時には、とても印象がよかったです。
しかし、前に行った時のように大暴れをしたら大変迷惑がかかると思い、予約の際に事前に伝えておきましたら了承してくれました。
歯科へ行く準備
絵カードを用いて、順序を説明する
私の一つの反省点としては、事前に目でみてわかる順序を説明していなかったことです。
失敗を通して、私もこちらを用意しました。
このように、何をするか目でみて、これから何をするか理解させることと、安心する言葉を添えてあげること、歯科に対するプラスのイメージを持つような言葉をかけます。
痛いことは何もしないよ、先生は優しいよ、終わったら電車見に行こうね。バイキンさんいなくなったらスッキリするね。など
時間に余裕を持ち、親も緊張しすぎない
歯科の前まで着いたら、もう1度言葉をかけてリマインドします。
自閉症児を連れての外出は、基本的になんでも余裕を持った方がいいです。急いで行ってしまうと、「何だ何事だ?」と予測不可能な事態に不安定になるとまた大変なので、歯科に行く時はなおさらです。
私は以前の歯科に行くときはハラハラして緊張して汗をかいていましたが、それも感じ取られると、本人によくないので悟られないように心がけて行きました。
いよいよ診察
歯科衛生士さんの対応
初診だったので、書類に記入をしてから、少し遊び場で電車で遊びました。
ままごとグッズや絵本に電車。いろいろおいてあり、子どもはすぐに遊びに行きました。
診察室に入ると、やはりビクビクして泣き出して、私の膝から離れませんでしたが、女性の衛生士さんは
こんにちはー!初めまして。よろしくねー!
と、とても優しく、横になるのが怖かったらお母さんのお膝でよしと言ってくれて、終始笑顔で泣くこに話しかけてくれました。泣いてる状態なので、一応口は開けています。その間に一通り診てから、
大きなお口開けれたねー!じゃあ今からフロスをするよ、何色がいい?
と、褒め言葉を入れながら、フロスの色を選ぶ選択肢を子どもに聞きました。
すると子どもは泣きながらも「こっち」と言って選んでいたのはびっくりしました。
その後も、じゃあ歯磨きはどの味がいい?歯磨きは何色がいい?と言って何種類か見せて子どもに選ばせてくれました。
泣きながらもちゃんと選んでいたので、これには驚きました。できたら褒めるを繰り返し、コミュニケーションもしっかりとって下さいました。
その後はさっとフッ素は塗って、終了でした!
本当なら4ヶ月おきの診察ですが、うちの子の場合は場所に慣れることや安心することが大事なため、2ヶ月おきに来院して下さい。とのことでした。
去年から通っていますが、怖い場所ではないということを認識し、今では全然泣かなくなりました。
もし虫歯になってしまったら
その後は私にも歯の説明をしてくださりました。
やはり奥歯が虫歯になりやすいこと、毎日フロスをすることが大事。とのことでした。
最大限注意はしていますが、もし虫歯になってしまった場合はどうなりますか?
と質問しました。
なってしまった場合は、器具や治療という状況に慣れていく練習が必要になって来ますが、だいぶ時間がかかるともいます。1年かそれ以上かもしれません。
とのことでした。
とにかく慣れることが第一ですが、さらに自閉症児に治療まで持って行くことは本当に大変なんだと思いました。1年かかってたら虫歯の方が進行してしまう…。と思うとやはり予防が大事です。
なってしまった場合は全身麻酔の治療になるかと思われます…。しかし、自閉症の度合いによっては繰り返しの通院で治療ができる傾向もあるようです!
↓自閉症児が虫歯になったら…参考までに!
終わったらご褒美を与える
小さなこと(もの)でいいので達成感を感じさせる
きちんと診察室に入れて、暴れたりしなかったらご褒美を与えます。
ご褒美とは言っても
帰りにJR見に行こうね。
ガチャガチャ1回しようね。
という感じで大袈裟のものではないですが、一つの達成感に繋がります。
自宅で使用している虫歯予防グッズ おすすめ
最初に歯科に行った際
とにかく虫歯になったら大変なので、なんとかならないようにしたいんです。
と、相談したらこれを勧められました。
ミラノールというフッ素の顆粒で、これを1包ピンクのボトルに入れて水に溶かしたもので1日1回うがいをすると、虫歯になる確率が80%下がるらしいです。(詳しくはかかりつけの歯科でお伺いください。)
しかも1包100円!!4包ほどあれば2ヶ月くらいもちました。まだ口も小さいので。
味はないようで、過敏なうちの子も抵抗なく歯磨き後、これでクチュクチュペッとやっています。
あとはこれ
デンタルフロスも毎日やるように、衛生士さんに言われました。
最初は嫌がっていましたが、慣れてきました。なんでも最初ってのが難しくて、慣れたら大丈夫ですが、親も根気が要ります。
最初は子どもの歯をフロスするのが苦手だったのですが、コツとしては、ノコギリを引くようにギコぎこと動かすことらしいです。そのくらいらしいです。
両方低価格でゲットできるので、よかったらお試し下さい。
ちなみにうちの子も、歯科には慣れてきて自分から入り、待っている間おもちゃで楽しく遊ぶようにはなりましたが、診察室に入ると、器具を見るなり少し怯えているのは今もです。
(定型児でももちろん怖がる子はいるわけで。隣の台から泣き声聞こえてきます。)
決して楽しんで行ってはいませんが、泣き叫ぶ事態は無くなったので、親の負担はだいぶ軽減しました!
☆最後までありがとうございました☆
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