息子は、自閉スペクトラム症(ASD)です。
感覚の敏感さから、鳴く動物が苦手。突然「ワン!」と鳴く犬にはびっくりしてしまい、道を歩いている時に犬に遭遇したら必ず私の後ろに隠れます。
でも不思議と、爬虫類や、そっと静かにしている猫には心を開きます。
「寄ってこない」「鳴かない」、そして何より「ふわふわしている」。それが彼にとって安心の条件のようです。
そんな息子が、前から「入りたい」と言っていたのが猫カフェでした。
私としては「大丈夫かな?」と心配していたのですが、扉を開けるとすぐ、彼の目がきらきらと輝きました。
猫たちはそれぞれ気ままに過ごしていて、こちらに近づいてくる子もいれば、棚の上からじっと見ているだけの子も。

最初は「猫ちゃーん」と、猫に話しかけて様子を見ていましたが、少しずつふわふわの猫にそっと触れたり、棚の上の猫をじっと観察したりして、とても満ち足りた表情をしていました。
普段の外出では「もう帰ろう」と言うことが多い息子が、ほっといたら何時間でもいそうな雰囲気でした。
私のほうが驚いてしまったくらいです。
帰り道もご機嫌で、「猫、猫」と何度も言っていました。
言葉は多くないけれど、心の中に何か温かいものが残ったんだなと感じました。
猫が自閉症の子にもたらす良い効果
猫をはじめとする動物とのふれあいは、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもにとってさまざまな良い効果があると報告されています。特に猫のような静かで距離感を保ってくれる動物は、ASDの特性に合いやすいとされています。
安心できる距離感
猫は基本的に「無理に構ってこない」動物です。
しかも野良猫なんてだいたい近寄ったら逃げていくし、なかなか触る機会がない!

私は犬派なので、近寄って来てくれる愛嬌のある犬が大好きなのですが
ASDの子は人との距離感に敏感なことが多く、自分のペースを尊重してくれる猫のような存在は安心感を与えてくれます。

予測しやすい行動
猫の行動パターンはシンプルで、「触らせてくれるとき」と「触らせてくれないとき」が分かりやすいことも多いです。猫カフェの猫は、基本的によく触らせてくれるので少し例外かもしれませんが、猫は吠えることをせず、ジェスチャーで示すことがあります。
これにより、不意の接触や大きな声に驚くことが少なく、感覚過敏の子にとって負担が少ないです。
情緒の安定
猫と触れ合うことで**オキシトシン(愛情ホルモン)**が分泌され、ストレスや不安がやわらぐと言われています。息子もとても猫をとても可愛がる感じで撫でていたので、まさに幸せホルモンが出ていた様子でした!
実際に、猫をなでるとリラックスする子も多いです。
非言語コミュニケーションの練習
猫は言葉を使わずに感情を表現するので、**「目を見る」「しっぽの動きから気持ちを読み取る」**といった非言語コミュニケーションの練習にもなります。
共感や思いやりの芽生え
猫の気持ちを考えることで、「やさしく触る」「今は近づかない」などの思いやりの行動が自然に育ちやすくなります。

注意点
もちろんすべてのASDの子に猫が合うとは限りません。
・毛や匂い、爪などへの過敏反応
・突然の動きに驚いてしまうこともあるため、最初は猫カフェなどで相性を見るのが安全です。
猫がくれた安心感
猫たちはそれぞれ気ままに過ごしていて、こちらに近づいてくる子もいれば、棚の上からじっと見ているだけの子も。
息子はふわふわの猫にそっと触れたり、棚の上の猫をじっと観察したりして、静かに、でもとても満ち足りた表情をしていました。
小さな頃から、鳴く動物が苦手でした。突然吠える犬の声や、甲高い鳴き声にはびっくりしてしまい、動物園に行ってもあまり楽しめないことが多かったんです。
これには私も少しがっかりした経験もあり、「普通の子は楽しむのにな…」と肩を落としたこともしばしば。でも本人が好きな生きものに対しては積極的に近づく様子を見ていると、やはり苦手なものを克服するよりも「好き」を選んだ方が、結果的には成長につながるきっかけになることが多いということに気づきます。
親心としてはできるだけたくさんの経験や物事、生きものに触れて欲しいと思うことが多いですが、選択肢を与えてあげつつ、本人の意思の尊重が大事なんだと思います。
今回訪れた猫カフェ
ちなみに、今回訪れたのは【CAT CAFE MOFF】さん。
https://moff-moff.jp/shops/cat-cafe-moff
スタッフの方もとても親切で、猫たちは穏やかで清潔感もあり、初めての方にもおすすめです。

ドリンクメニューも凝っていて、好きな猫ちゃんを選び、ラテアートにしてくれます!
しかも嬉しいのが、猫カフェでは珍しく、障害者手帳でお会計の10%引きになります。
